2023年2月9日、天王洲アイル。STUDIO DESIGN AWARD 2022に参加しました。2020年、2021年はオンラインで開催されていたのですが、リアルイベントは今回が初だそう。リアルイベントならではの熱気や緊張感、そして最先端のWEBデザインを間近で確かめたく、祭典サポートスタッフとして参加しました。それでは、レポートしていきます!※レポートもいいけど、早く結果を知りたい」という方は、こちらから公式ページをチェック(CLICKはじめに:STUDIO DESIGN AWARD 2022の概要STUDIO DESIGN AWARD2022は、弊社がもっとも活用しているノーコードWEB制作ツールの「STUDIO」で作られたサイトを讃えるデザインの祭典です。今回のアワードの応募数はその数296エントリー。その中から、STUDIOグランプリ筆頭とした8つの賞と、5つの企業賞が選ばれます。最終的に、ノミネート作品として選出されたサイトはどれも見応えあり。ノーコードでここまでできるのか!と唸ってしまうアイデアや匠の技の宝庫です。会場には、ノミネートされた作品が1列に並んだギャラリー。WEB上で見るのとはまた違った迫力。ケータリングやドリンクコーナーも用意されていて、フランクな雰囲気。開会前から参加者同士で立ち話している姿もちらほら見えました。リアルイベント企画その1:パネルディスカッションリアルイベントならでは、のコンテンツとして執り行われたのがパネルディスカッション。モデレータ:gaz 代表取締役CEO吉岡さんパネラー:Re:design 代表取締役 渡辺さんパネラー:STUDIO DETIELS CTO 久保さんパネラー:SHIFTBRAIN アートディレクター 鎌田さんWEBデザイン業界を牽引するメンツが集まった貴重な回となりました。トークテーマはこんな感じ。結構、尖ったテーマの連発です。⚫ぶっちゃけ、ノーコードツールについてどう思ってる?⚫『ノーコード』 VS『コード』 今後のWEB制作の未来はどうなっていく?トークが始まると、共感したり、発見があったり、考えさせられたり。「ノーコードでのWEBサイト構築が、4年前では考えられなかった次元にまで達してきている」「デザインとサイト制作の間で起こるコミュニケーションロスが極力減らすことができ、コレだ!と実感した」「ノーコードでここまで実現できる、ということがWEBデザイン業界の品質の底上げになる」といった、STUDIOを活用することで広がる可能性の話や、「ノーコードでできることが多くなるからといって、コードがなくなるわけではない。その先を作っていく役割がある」「コードという手作りによって感情を動かすものづくりを、あらためて認識できそう」という、ノーコードという手段があるからこそ比較できるコーディングの大切さの話。そして、特に印象に残ったのが、「もはやWEBデザインは、デジタルのアウトプットという手段だけにとどまらず、ブランドや世界観を創る上での入り口になっている」「WEBから始まった人たちが、トータルブランディングの領域に入ってくると面白いよね」という話。これは、ノミネートされたサイトを見ても説得力がある内容で、あらためて兜の緒を締める気持ちになりました。リアルイベント企画その2:STUDIO 2023 UpdateSTUDIO運営より、2023年の3つのアップデートについての発表もありました。① STUDIO community2.0の発進Slackで運営されていた「STUDIO community」が、コミュニティ9000人突破を機にグレードアップ!プラットフォームもSlackから引っ越しするとのこと。これにより、これまで制限がかかってしまっていた90日以上前の質問へもアクセスできるようになるほか、優良コメントへのリワードなど、さまざまな機能が実装されるようです。STUDIOの魅力のひとつでもあるコミュニティがグレードアップするのは、本当に嬉しいなぁ。ますます活用しやすくなりそうです。② STUDIO StoreのオープンSTUDIOで、トップデザイナーによるテンプレート販売が始まるとのこと!価格帯は、数千円から販売&購入ができるとのことで、購入したデザインは、もちろんそれをベースにカスタマイズしてもOKとのこと。購入する人にとっては、これまで以上にさまざまな事業をスモールスタートすることができるようになりそうですし、販売側となるクリエーターにとっては、受注案件以外でのビジネスを展開できるようになりそう。また、時代にあった質の高いテンプレートが集まることで、どんどん品質の底上げが実現しそうです。③ STUDIO AIがスタートかねてから噂されていた「AI」が、ついに正式発表となりました。「クリエイティブをサポートする存在であること」このような表現で紹介された、今回のSTUDIO AI。気になるのは「AIで何ができるのか」ですよね。実際に、会場ではデモンストレーションが行われました。チャットボックスのような見た目のAIに、「このページをレスポンシブ対応して」と投げかけると、グリグリっとページが自動で調整されていく様子がスクリーンに映り、「おおおお!!!」と会場が沸きました。また、AIに「この要素にアニメーション効果をつけて」と投げかけると、フェードインするアニメーションがサクサクと実装されます。「もうすこしゆっくり」「左方向から」なんて細かなリクエストにも都度反応し対応する様に、さらに会場は湧きました。早くAI機能を試してみたい!2023年の4月にリリースとのことです。待ち遠しいです。そして、受賞式!(印象に残った受賞WEBサイト)さて、アワードの結果ですが、まずはぜひ公式サイトを確認ください。(CLICK)コメントも講評もしっかり見応えあります。以下、印象的だった授賞WEBサイトを、いくつかまとめておきます。🎉STUDIOグランプリ:安心安全デザイン研究室(工学院大学)https://aa-design-lab.com/工学院大学の小川准教授のWEBサイトです。「力学と哲学というテーマを扱う研究所で、話を聞いても、聞いても、本当に難解でわからない。とはいえ、日常生活のなかに溶け込んでいる学問であり、難解だからこそ、一般にも伝わるよう学問を開放していきたい。このサイトは、第一歩なんです。」クリエーターの赤松さんのこのコメントには、ぐっときました。こちらのWEBサイトは、講評でも触れているように、この最高難度の話を優しく説きかけてくれているような感覚になります。きっと、どんな企業でもプレイヤーでも、本当に伝えたいことを伝えることは大変。だからデザインによって伝導率を高める必要があるし、いろんな手段を試す必要もある第一歩という言葉が、STUDIOの価値をぐっと引き上げているように感じました。🎉ソーシャルいいね賞 & D4V/IDEO賞:みんなでつくる、キャリアの地図2022年https://plus-oc.onecareer.jp/careermap/2022転職事例や体験談を「キャリアの地図」としてアウトプットするWEBサイトの最新版。とのことなのですが、とにかく楽しい。どんどん触りたくなる工夫が散りばめられています。普段STUDIOに触っている人ならなおさら、こんなことが実現できるの!?という驚きもあり、ますます興味深いWEBサイトです。「とてもむずかしいところもあったが、チームになって取り組み作り上げることができたプロジェクトが、ソーシャルいいね賞をいただき感慨深い。しかも、 D4V/IDEO賞とのダブル受賞!」クリエーターの葉栗さんのこのコメントには、きっと会場一同が共感したはず。きっと、このWEBサイトは、今後も何度も見返してしまうと思います。そのくらい衝撃的でした!🎉チャレンジ賞:KITASATO BRANDING PROJECThttps://kitasato-branding.studio.site/北里研究所の「北里らしさ」を定義して未来を考える、ブランディングプロジェクトのメディアサイト。「オープンに周囲を一緒に巻き込みながら、もっともっと北里を輝かせていきたい」という思いから生まれたWEBサイト。意見も集まってきていて手応えを感じている。」「透明感のあるデザイン。変化のフェーズを見せていく。プロトタイプだったテンプレートサイトも公開していたし、これからも進化していく。」学校法人北里研究所の福田さん、Takramの井野さんのコメントを聞けば聞くほど、オープンと透明感というコンセプトを、見事に体現しているデザインだと納得させられました。また、「これから進化していく」ということすらもオープンにする姿勢を、このサイトの過去のデザインへアクセスできるようにすることで体現していることに驚きました。この大胆なアプローチがあるからこそ、コンセプト自身の説得力も高まる。デザインによってプロジェクトの強度を高めている、とてもいいプロジェクトだと思います。🎉店舗・商品賞:ミチクサ醸造所 - 海のほとりの小さなクラフトビール工房 - 福岡県https://michi-kusa.co.jp/福岡県の海のほとりに工房を構える、クラフトビール醸造所「ミチクサ醸造所」のWebサイト。「元SEでもあるミチクサ醸造所の代表の江藤さんから、STUDIOを使ってサイトを構築したいという提案があったんです。今後の運用や更新のこと、事業を始めるにあたってスモールスタートとしたいということをを考えて」クリエーターの江連さんのコメントからは、余白のあるデザインや、写真のクオリティも然ることながら、STUDIOを使うという手段にすらストーリーを感じました。公開後も自身で修正・改良ができるメンテナンス性や、手軽にはじめられるハードルの低さも、プロジェクトにおいて大切な要件。これを踏まえて改めてWEBサイトを見ると、いっそう感慨深いものがありますね。🎉PARTY賞:DENSHOW 佐賀・絶景伝承芸能https://denshow.saga.jp/佐賀の伝承芸能と現代のカルチャーをミックスさせたアートプロジェクトのWEBサイト。10年ほど前、高額な予算でハイエンドなプロダクションと共につくる「スペシャルサイト」の域に達しちゃっているなと感じたのが受賞理由です。これは、PARTYさんの講評コメント。本当に、画面を表示するたび、スクロールするたびに、いろいろなギミックが次々と現れるWEBサイトとなっていて、デザインの楽しさを十分に満喫できます。しかし、取り扱っているテーマは佐賀の伝承芸能。この難しいテーマを、大胆なグラフィックとアニメーションを取り入れ「現代のカルチャーとミックス」させるバランス感覚には、恐ろしさすら感じます。この大胆なデザインの意図を、佐賀県の皆さんにもしっかりと理解を頂きながら進めたプロジェクトだった。結果的に、「伝承芸能を広めてくれてありがとう」と感謝いただく機会もあり、デザイナーとして本懐を遂げられた。クリエーターの前原さんのコメントには、このプロジェクトの難しさと達成した喜びが、ぎゅうぎゅうに詰まっているように感じました。レポート総括ほかの受賞作品についても触れたいし、個人的な推しWEBサイトにも触れたいところですが、とめどないボリュームになりそうなので、いったんここで区切ります。今回のSTUDIO DESIGN AWARD 2022に参加し、どんどん進化するSTUDIOと、新しいデザインを生み出すクリエーターの相互が高め合い、間違いなくWEBデザイン業界に新しい風を起こしていることを体感しました。アワードの受賞作品しかり、ノーコードという選択肢が生み出すWEBデザインの未来の姿をも見た気がします。もっともっと、WEBデザインを高品質で身近なものに。STUDIOが、クリエイターにも、ユーザーにも、ひいてはエンジニアにだってメリットがあるツールに進化していくことに期待せざる得ません。そして。2023年には、よふかし株式会社が制作したWEBサイトもノミネートしかり、受賞できるようなプロジェクトを生み出せるよう頑張ろうと気合が入りました。ファンを生み出すWEBサイトを制作できるよう、私たちも精進してまいります!(よふかし 石倉)